安いAIコンサルほど高くつく|選び方を間違えると損する理由

所長コラム

安いAIコンサルを選んだ結果、「高くついた」と気づくのはたいてい1年後です。

これは私が見てきた経営者仲間の話であり、私自身が危うく陥りそうになった話でもあります。「月5万円でAI支援します」という提案は魅力的に見えます。しかし、1年後に「何が残ったか」を計算すると、答えが変わることが多い。

なぜそうなるのか。AIコンサルの選び方で何を見るべきか。正直に書きます。


1. 「安いコンサル」が高くつく構造的な理由

月5万円と月30万円のAIコンサルが存在するとします。月5万円を選べば年間で300万円安い。これは事実です。

では、なぜ「安い方が高くつく」のか。

理由1:「ツール操作を教えるだけ」で終わるから

安価なコンサルの多くは、特定のAIツールの使い方を教えることを業務としています。プロンプトのひな形を渡し、使い方を解説する。これ自体は悪くありません。

問題は、「自走できる会社づくり」を設計していない点です。教えてもらっている間は動けるが、コンサルが抜けると止まる。再度コンサルが必要になる——このサイクルが「安くて長い契約」につながります。

理由2:「自社の業務」を知らないまま汎用的な答えを渡すから

AIコンサルタントの価値は、AI知識×業界業務知識の掛け算です。AI知識だけ持っていて、宿泊業・飲食業・製造業の業務フローを知らなければ、出てくる提案は汎用的になります。汎用的な提案は「自分でYouTubeを見れば分かる話」に終わることが多い。

理由3:「成果にコミットしない」契約形態だから

月次顧問契約は、成果ではなく「稼働時間」に対して費用が発生する構造です。成果にコミットするなら、成果報酬型や「○ヶ月で卒業」を明言した契約であるべきです。安価な顧問ほど「長期継続」で収益を得る設計になっていることが多い。


2. 良いAIコンサルと悪いAIコンサルを見分ける7つの質問

私がコンサルを選ぶとき、または紹介するときに使う質問リストを公開します。

質問1:「内製化が完了する目安はいつですか?」
明確な期限を言えないコンサルは要注意です。「お客様次第」は本音で「ずっと使ってほしい」の言い換えです。

質問2:「卒業した(解約した)クライアントはいますか?」
本当に内製化支援をしているなら、卒業事例があるはずです。「継続クライアントしかいない」なら依存させているサービスと判断できます。

質問3:「成果をどの指標で測りますか?」
KPI(業務時間削減率・ROI・導入率など)を事前に設定しているコンサルは信頼できます。「定性的な満足度」しか測らないなら怪しい。

質問4:「あなた自身がAIで何を内製化していますか?」
自分で実践していないコンサルが人を導けるとは思えません。具体的な自社活用事例を聞いてみてください。

質問5:「契約前に自社の業務を理解するためにどんな時間を取りますか?」
ヒアリングなしに提案してくるコンサルは、汎用サービスの押し売りです。

質問6:「費用の内訳を教えてもらえますか?」
何にいくら払うのかを明確にできないサービスは、費用対効果の検証ができません。

質問7:「契約解除条件はどうなっていますか?」
解約しにくい設計(長期縛り・高額違約金)になっているなら、「顧客の自立」より「継続収益」が優先されています。


3. 「高いコンサル」が実際に高くつくパターンもある

公平に言っておきます。高額コンサルが必ずしも正解ではありません。

月30万円のコンサルでも、「内製化を設計せず、レポートを毎月提出するだけ」のサービスは過剰コストです。大手コンサルのブランド料を払っているだけで、現場への実装は別の担当者(経験の浅い若手)が行う——という実態の会社もあります。

高いか安いかより、「この支援で、3ヶ月後に自社の何が変わっているか」を契約前に言語化できるかが判断基準です。


4. 私が考える「本当に必要な支援期間」

私の考えはシンプルです。

外部支援は6ヶ月以内で卒業する設計でないと失敗する。

最初の1〜2ヶ月で業務課題の棚卸しと最初の自動化を実装。3〜4ヶ月で社内推進担当者が自走できるレベルに育てる。5〜6ヶ月でコンサルなしの運用体制を確立。

このロードマップを示せないコンサルには頼むな、と私は言い続けています。

中小企業のAI導入率は2026年時点でも12〜20%程度。始められていない会社の最大の理由は「何から始めればいいか分からない」です。その「最初の地図」を描いてあげるのが良いコンサルの役割。地図がなければ歩き続けても何も変わりません。


5. それでも「自分で始める」のが最強の選択肢

最後に正直に言います。

もっとも費用対効果が高いのは、経営者自身が先に触ってみることです。ChatGPTやClaudeを自分で1週間使い込んでみる。それだけで「何を外部に頼む必要があるか」が見えてきます。

私はPC音痴でした。それでも自分で始めた。始めてみたら「これ、自分でできるじゃないか」と気づいた。その経験があるから「俺でもできたから、あなたもできる」と言えます。

コンサルに頼む前に、まず自分で30分触ってください。それからでも遅くはありません。


よくある質問

Q1. AIコンサルと契約するとき、金額の相場はどれくらいですか?
スポット相談で数万円〜、月次顧問で数万円〜数十万円まで幅があります。規模・サービス内容・実績によって大きく異なるため、複数社から見積もりを取って比較することをお勧めします。金額より「何をしてくれるか・いつ卒業できるか」で判断してください。

Q2. AIコンサルを選ぶ際に資格や認定は参考になりますか?
一つの目安にはなりますが、資格よりも「自分でAIを使いこなしているか」「内製化の成功事例を持っているか」の方が実務的な指標です。資格保有者でも実践が薄い場合はあります。

Q3. コンサルなしで内製化を進めるためのリソースはどこで手に入りますか?
当メディア(AI内製化総合研究所)のほか、中小企業庁のDX支援施策、よろず支援拠点(無料の経営相談窓口)などを活用できます。完全独力で進めるのが不安な場合は、単発のスポット相談から始めることも選択肢の一つです。


この記事を書いた人

山崎恭平/AI内製化総合研究所 所長
株式会社インバウンドホールディングス専務取締役。営業と交渉の世界で成果を上げてきた一方、パソコン作業は横で支えてくれる事務方に頼りきりだった。AIの登場で、一番苦手だったパソコン作業が「自分でできる」に変わり、気づけば中小企業から上場企業まで10社以上のAI顧問を務めるように。スプレッドシートの関数すら分からなかった私でもできた——だから、誰でもできる。AIの学校や顧問にお金を払い続けるのは、本質的にもったいない。初期は人を頼ってもいい。でも最後は自分たちで内製してほしい。そんな思いで、このメディアを作った。

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