学習塾の保護者向け文書作成は、AIに任せれば1本3分・無制限量産が可能だ。
こんにちは、山崎恭平です。宿泊事業を約600室運営しながら、現場のありとあらゆる文書作成をAIに移管してきました。そこで気づいたのは「文書作成の苦しみは、業種を問わず構造がまったく同じ」だということです。
今回は学習塾にフォーカスします。求人サイトで「学習塾 スタッフ」と検索すると、「保護者対応、月次通信作成、面談準備…未経験歓迎」という募集が並びます。この「未経験歓迎」という言葉こそ、その業務に慢性的な人手不足があることを正直に告白しているサインです。
実際にAIに頼んでみた
私が塾長だったとして、実際に使えるレベルの文書を本気で生成してみました。
プロンプト①:定期テスト前の保護者向けお知らせ文
あなたは中学生向け学習塾「◯◯塾」の塾長です。
以下の条件で保護者向けのお知らせ文を作成してください。
【条件】
・目的:定期テスト対策特訓のご案内
・対象:中学2・3年生の保護者
・期間:2週間前から当日まで
・内容:特訓授業の日程、持ち物、注意事項
・トーン:丁寧で温かみがあり、保護者が安心できる文体
・文字数:400〜500字
・末尾に「ご不明な点はお気軽にお問い合わせください」で締める
塾名・日程などの固有情報は【塾名】【日程】などのプレースホルダーで表記すること。
AI回答(そのまま使えるレベルで生成):
保護者の皆様へ
平素より【塾名】をご利用いただき、誠にありがとうございます。
さて、定期テストまでいよいよ2週間を切りました。この時期、お子様の学習状況が気になる保護者の方も多いことと存じます。
当塾では、テスト直前期に合わせた「定期テスト対策特訓」を下記のとおり実施いたします。通常授業に加えて重点補習を行い、一人ひとりの弱点単元を集中的に強化します。
【実施日程】【日程】
【対象学年】中学2・3年生
【持ち物】教科書・ノート・定期テスト範囲表(学校で配布されたもの)なお、対策授業への参加は任意となっておりますが、特に苦手科目がある生徒には積極的なご参加をお勧めしています。前回のテスト結果と照らし合わせ、担当講師が個別にアドバイスを差し上げることも可能です。
ご参加希望の場合は、【締切日】までに受付にお申し込みいただくか、連絡帳にてご記入ください。
ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。どうぞよろしくお願いいたします。
【塾名】 塾長 【氏名】
プロンプト②:面談案内+保護者の不安を先取りするFAQ付き文書
学習塾の保護者面談案内文を作成してください。
【状況】
・対象:高校受験を控えた中学3年生の保護者
・面談時期:9月(受験校の最終確認時期)
・所要時間:1人30分
・面談内容:志望校の最終確認、学習進捗、今後の対策方針
この案内文に加えて、保護者がよく抱く不安・疑問を先取りした「よくあるご質問」を3問セットで作成してください。
Q&Aのトーンは「心配しなくて大丈夫ですよ」という安心感を与えるものにしてください。
AI回答:
【秋の保護者面談のご案内】
保護者の皆様へ
いつも【塾名】をご利用いただき、ありがとうございます。
いよいよ受験の天王山・秋の時期を迎えました。この大切な時期に、担当講師とじっくりお話しいただける「秋の保護者面談」を実施いたします。
志望校の最終確認、現在の学力と合格可能性、残り数ヶ月の具体的な学習プランについて、担当講師が丁寧にご説明いたします。
【実施期間】【日程】
【所要時間】お一人様 約30分
【場所】【塾名】 面談室日程のご希望は【締切】までに受付またはLINEにてご連絡ください。
よくあるご質問
Q1. 模試の結果がまだ志望校に届いていません。面談では何を話せばいいですか?
A. 今の時点で志望校に届いていなくても、まったく問題ありません。むしろ今が踏ん張り時です。面談では現状のギャップを具体的に確認し、残り期間で何点伸ばすかの逆算プランをご提示します。ご安心ください。Q2. 志望校を変えるべきか迷っています。面談で相談できますか?
A. もちろんです。志望校の変更は「下げる」ばかりが正解ではありません。お子様の頑張りと現状を一緒に見ながら、ご家庭にとって最善の選択肢をご提案します。最終的な判断はご家族に委ねますが、判断の材料を整理するお手伝いをします。Q3. 子どもが最近やる気をなくしているように見えます。
A. 受験生の秋は、誰でも一度は「伸び悩み感」を経験する時期です。塾側でも気になる生徒には個別に声かけをしています。面談でお子様の様子を共有していただけると、講師側でもフォローが強化できます。一緒に乗り越えましょう。
プロンプト③:月次学習レポート(個別生徒用テンプレート)
中学生向け学習塾の「月次学習レポート」テンプレートを作成してください。
【要件】
・保護者が読んでポジティブな気持ちになれる文体
・各科目の進捗を数値と一言コメントで記載できる構成
・今月の「頑張ったこと」「来月の目標」を明記
・A4一枚に収まるシンプルなレイアウト指示も含める
塾講師が毎月5分で入力できるような穴埋め式にすること。
AI回答:
【月次学習レポート】
お子様のお名前:__ 学年: 対象月:年___月
今月の学習状況
科目 授業回数 理解度(★1〜5) 講師からのひとこと 国語 ___回 ★★★★☆ 数学 ___回 ★★★★☆ 英語 ___回 ★★★★☆ 理科 ___回 ★★★★☆ 社会 ___回 ★★★★☆
今月の「頑張ったこと」
(例:数学の計算ミスが先月より明らかに減りました。粘り強く取り組む姿勢が光っています)
来月の目標
(例:英語の長文読解を週2回集中的に取り組み、読む速度を上げます)
保護者の方へのメッセージ
担当講師:__ 作成日:年月___日
※レイアウト指示:A4縦・余白2cm・フォントサイズ本文11pt・表はグレーの細線罫線・ヘッダーに塾名・ロゴ
かかった時間と感想
3本のプロンプト作成+回答確認で、合計約15分でした。実際の業務で使うなら、塾名・日程などのプレースホルダーを埋めるだけで即日配布可能なレベルです。
私が一番驚いたのは、FAQ付きの面談案内文の質です。「保護者が不安に思うこと」を先取りしてQ&Aに落とし込む作業は、通常であれば経験豊富なベテラン講師にしかできません。それがプロンプト1本で出てくる。
これが「AIで人手不足を埋める」ということです。
月次レポートだけで、1教室20人分なら毎月20本。これを手書きや個別作成していた塾は、AIに切り替えるだけで月3〜4時間が丸ごと返ってきます。
導入ステップと費用感
ステップ1(月数百円〜): ChatGPT PlusまたはClaudeのProプランを契約。まず3本のプロンプトテンプレートを自塾仕様に調整する。
ステップ2(月1,000〜3,000円): 自塾の「文書フォーマット集」をAIに読み込ませ、文体・署名・塾のカラーを学習させる。Notionや簡単なGoogleドキュメントで管理すると便利。
ステップ3(任意): 月次レポートやお知らせ文の自動生成ワークフローをGASやMakeで構築。入力フォームを埋めるだけで完成品が出力される仕組みにできる。
なお、デジタル化・AI導入補助金(最大450万円・補助率1/2〜2/3、最新の公募要領で要確認)を活用すれば、初期構築コストを大幅に抑えられる場合があります。
よくある質問
Q. AIが作った文章って、なんか冷たい感じがしませんか?
AIは指示した「トーン」を忠実に再現します。「温かみのある」「保護者が安心できる」という指示を入れるだけで、上記のような文章が出てきます。むしろ疲弊した状態で書いた文章より温かみが出ることも多いです。
Q. 保護者にAIが作ったとバレたら問題ですか?
内容の責任は塾長・講師が持ちます。AIはあくまで文章の「下書き生成ツール」です。最終確認と署名は人間が行う運用にすれば、倫理的にも問題ありません。
Q. スマホだけで使えますか?
ChatGPTもClaudeもスマホアプリがあります。隙間時間に音声入力でプロンプトを投げることも可能です。PCが苦手な方でも十分に使えます。
山崎恭平/AI内製化総合研究所 所長
株式会社インバウンドホールディングス専務取締役。営業と交渉の世界で成果を上げてきた一方、パソコン作業は横で支えてくれる事務方に頼りきりだった。AIの登場で、一番苦手だったパソコン作業が「自分でできる」に変わり、気づけば中小企業から上場企業まで10社以上のAI顧問を務めるように。スプレッドシートの関数すら分からなかった私でもできた——だから、誰でもできる。AIの学校や顧問にお金を払い続けるのは、本質的にもったいない。初期は人を頼ってもいい。でも最後は自分たちで内製してほしい。そんな思いで、このメディアを作った。

