AI議事録ツールとは、会議や商談の音声を自動で文字起こし・要約・アクション抽出するサービスで、手作業の議事録作成を大幅に削減できるツールです。
議事録作成は、営業担当者の時間を静かに奪っている業務の代表格です。
商談後に「今日のまとめを入力して」と言われて、30〜60分かける。それが毎週5件の商談なら、1週間で2〜5時間がただの入力作業に消えています。この時間を顧客フォローや次の商談準備に使えたら、どれだけ成果が変わるか。
AI議事録ツールはその問いへの答えです。私の会社でも導入後、商談後の事務作業がほぼゼロになりました。
1. AI議事録ツールで何ができるか:4つの機能
現在の主要なAI議事録ツールは、おおむね以下の4機能を持っています。
機能1:リアルタイム文字起こし
会議・商談中の音声をリアルタイムでテキスト化します。日本語の精度は年々上がっており、一般的な会議・商談であれば実用レベルで使えます。
機能2:自動要約・ポイント抽出
録音終了後、AIが自動的に会話を要約し「決定事項」「宿題」「次回議題」を抽出します。ここが手作業との最大の差分です。
機能3:話者分離
Aさんが話した部分・Bさんが話した部分を自動で識別します。商談の「相手の発言」だけを抜き出して分析できるのが強みです。
機能4:CRM・タスク連携
SalesforceやHubSpot等のCRMに商談メモを自動連携するツールもあります。営業プロセス全体のDX化に有効です。
2. 主要AI議事録ツール 比較
以下は2026年6月時点の一般的な機能比較です。価格は変動しますので公式サイトで要確認ください。
| ツール | 日本語対応 | 無料プラン | 強み |
|---|---|---|---|
| Notta | ◎ | あり | 使いやすさ・精度 |
| tl;dv | ○(翻訳) | あり | 英語会議・動画要約 |
| Otter.ai | △ | あり | 英語に強い・歴史あり |
| CLOVA Note | ◎ | あり | LINEと連携・日本語特化 |
| yRecorder | ◎ | 一部あり | 商談特化・営業向け分析 |
日本語商談メインであればNottaかCLOVA Noteから試すことをお勧めします。
3. 商談録音から「成約率アップ」につなげる使い方
ツールを使って録音・要約するだけでは成約率は上がりません。重要なのは「分析」です。
活用法1:相手の発言パターンを分析する
成約した商談と失注した商談の録音を比較して「相手がどんな言葉を使ったときに受注につながったか」を分析します。これを繰り返すと、確度が高い商談の特徴が見えてきます。
活用法2:自分の話す比率をチェックする
良い商談は「聞く:話す=7:3」と言われます。AI議事録の話者分離機能を使って、自分の発話時間の割合を把握する。「話しすぎ」を客観的に認識するだけで商談の質が変わります。
活用法3:クレームや懸念の拾い損ねを防ぐ
商談後に感覚で「いい感じだった」と報告していた案件も、録音を見直すと「実はここで懸念を示していた」という場面が見つかることがあります。拾い損ねた課題を次回フォローに活かせます。
4. 導入時の注意点:必ず相手の同意を取る
最も大切なことを最後に言います。商談録音は相手の同意が必須です。
「本日の商談は、品質改善の目的で録音させていただきます。よろしいでしょうか?」の一言を冒頭に入れる。ほとんどの場合、断られません。ただし、この確認なしに録音することは法的リスクがあります。必ず同意取得をルール化してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 音声の文字起こし精度はどの程度ですか?
A. 一般的な会議・商談であれば、主要ツールで90%以上の精度が出ることが多いです。ただし、複数人が同時に話す場面・専門用語・方言が多い場合は精度が下がることがあります。重要な商談ほど、出力を確認してから使ってください。
Q2. 録音データはどこに保存されますか?セキュリティは大丈夫ですか?
A. 基本的にクラウドサーバーに保存されます。各ツールのセキュリティポリシーと自社の情報管理規程を照らし合わせて選定してください。機密情報を含む商談では、使用ツールの審査を厳格に行うことをお勧めします。
Q3. 無料プランで十分使えますか?
A. 月の商談数が少ない段階では無料プランで十分なケースが多いです。「月◯件まで」「1商談◯分まで」の制限を確認したうえで、まず無料で試してみることをお勧めします。
この記事を書いた人
山崎恭平/AI内製化総合研究所 所長
株式会社インバウンドホールディングス専務取締役。営業と交渉の世界で成果を上げてきた一方、パソコン作業は横で支えてくれる事務方に頼りきりだった。AIの登場で、一番苦手だったパソコン作業が「自分でできる」に変わり、気づけば中小企業から上場企業まで10社以上のAI顧問を務めるように。スプレッドシートの関数すら分からなかった私でもできた——だから、誰でもできる。AIの学校や顧問にお金を払い続けるのは、本質的にもったいない。初期は人を頼ってもいい。でも最後は自分たちで内製してほしい。そんな思いで、このメディアを作った。
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